大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)3335 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人猪股正哉の上告趣意第一点について。

控訴審が第一審判決の量刑不当若くは法令適用の誤を理由としてこれを破棄し自

判するに当つては第一審判決認定事実に対し法令の適用を示せば足り控訴審として

改めて事実を認定するを要しないこと当裁判所の判例の趣旨とするところある(昭

和二七年(あ)六三一六号同二九年四月一三日第三小法廷判決、集八巻四号四六二

頁、昭和三〇年(あ)一九二四号同三〇年一二月一日第一小法廷決定、集九巻一三

号二五七七頁並に論旨引用のもの)。右判例の趣旨によれば、控訴審が第一審判決

の事実認定について触れるところなく或はこれを是認しつつ他の理由によりこれを

破棄する場合には改めて認定事実を判決に判示するを要しないこと明らかである。

記録によると、原審は第一審判決に事実誤認も量刑不当もないとし、たゞ訴訟費用

の負担を命じた部分に理由不備あることを理由として第一審判決を破棄した上、第

一審の認定事実につき第一審と同一の擬律、量刑をなし、訴訟費用の負担について

のみ第一審と異る主文の言渡をしたこと明白であるから、原審判決手続には何らの

違法はないといわねばならない。従つて原審手続の適法でないことを前提とする憲

法三一条違反の所論は前提を欠き採用できない。

同第二点について。

所論は刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第三点について。

所論は刑訴四〇五条の上告理由に当らず、また、所論自体は再審を請求できる場

合に当る事由の主張ということもできない。(論旨主張のような事実を認めるべき

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資料は本件記録に存せず出されていない。)

記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三三年四月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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